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離乳食の悩みを引きずらないヒント

離乳完了期
(12~18か月頃)

生後12か月頃からは、いよいよ「離乳完了期」に入ります。上下の前歯8本が生えそろい、歯を使って食事ができるようにもなっていきます。食事の量もぐっと増え、食べる楽しみを実感できているお子さんも多いでしょう。一方で、食事に慣れたことで知恵がつき、ママやパパを困らせるケースも少なくありません。
そんな離乳食の悩みや不安を解決するヒントを、乳幼児の栄養指導に長年たずさわっている管理栄養士の太田百合子先生に伺いました。

離乳完了期(12~18か月頃)離乳食の悩み・不安

  • 好きなものしか食べません。このままにしてもよいのでしょうか。
    好きなものしか食べません。このままにしてもよいのでしょうか。

    好き嫌いが出てくるのは、「自分はこれが食べたいんだ」という自己主張ができるようになったということ。子どもの心が発達している証拠です。好きな食べ物、例えば いちごばかりを何週間も食べ続けたり、バナナばかりをいっぱい食べたりする時期があっても大丈夫。いずれ飽きます。「意思が出てきたんだなぁ」と見守りつつ、「これが好きなんだよね」と認めつつ「こっちもおいしいよ」と誘うとつられて他のものも食べることもあります。

  • 食べ物をかまずに丸のみしてしまいます。危ないのでどうにかしたいのですが、方法がわかりません。

    噛む力は、触感 の経験を増やすために1汁2菜のようにやわらかめ、かため、汁物などの品数も意識します。テーブルは、胸からへその間位で腕が動かしやすい高さにして、上体が安定して座れて、足底が床や足台につく体勢 にするとよく噛むことができます。手づかみできるものを用意して、奥の歯ぐきで「カミカミ」できるように刺激しましょう。自分の一口量を覚えるために口に入れる量をフォローしてあげながら、さまざまな食品をゆっくり噛んで食べることや唇を閉じたまま咀嚼するように見守りましょう。

  • いつから食事を大人と同じ時間にしてもよいですか。
    いつから食事を大人と同じ時間にしてもよいですか。

    3回食に慣れたタイミングで、子どもの生活リズムに合わせて大人も一緒に食事をしていきます。大人が「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつをする姿を見せたり、食べ方を見せることで、子どもは見て学びます。ともに食べることは家族や社会の一員としてコミュニケーションの場となります。一緒に食べたほうが、お子さんも誰かと一緒に食事をすることの楽しさを感じられ、心も体も育つ食育にもなります。

  • 1歳になったら母乳やミルクをやめてよいでしょうか。

    少食の場合は、授乳をやめることにより食事量が増えることが多いです。ある程度食事もとれているようなら、やめてもやめなくても、どちらでも構いません。お子さんが欲しがっているようならあげてよいですし、飲みたがらないならやめてもよいでしょう。1歳の時点では、まだすべての栄養素を食事からとれるわけではありません。母乳やミルクで栄養を補うことも大切かもしれませんし、食事と間食で栄養を補うようになることもあります。お子さんの様子を見ながら、柔軟に対応していってください。

国立総合児童センター「こどもの城」小児保健クリニックを経て、現在は大学などの非常勤講師、指導者や保護者向けの講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務める。東京都小児保健協会理事、日本食育学会代議員。 国立総合児童センター「こどもの城」小児保健クリニックを経て、現在は大学などの非常勤講師、指導者や保護者向けの講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務める。東京都小児保健協会理事、日本食育学会代議員。

参考資料
●「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省
●山本隆:「口腔の生理からどうしてを解く」デンタルダイヤモンド社,2007

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